はじめに

  子どもたちは、3時の“おやつ”が大好きです。きめられた食事の合間の、おやつの時間に、晴れた日、終日外に出て遊ぶ子どもらにとっては素敵なひとときなのです。ケーキであったり、果物であったり、キャラメルであったり、子どもたちの大好きなものが、そのひとときの献立です。もちろん、おやつばかりではひ弱な子どもになってしまいます。おかあさんが栄養のバランスを考えて作ってくれる食事がいちばん大切であるということは、いうまでもないでしょう。
この《ふたりのピアノ》は、子どもたちに楽しい“おやつ”と願って作曲しました。子どもたちが、“ホーム・コンサート”や“おさらい会”などで楽しく弾いてくれる事を願っております。なお、この曲集のなかの曲名作成にあたっては、娘芳野が手伝ってくれました。
 
内田勝人 [音楽の友社・ふたりのピアノ第1巻より]



内田勝人


1940年東京生。東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。池内友次郎・矢代秋雄・三善晃・島岡譲の各氏に師事。同年、フランス給費留学生として渡仏、パリ国立高等音楽院作曲科ならびにフーガ科入学。シモーヌ・プレ・コサードしにフーガを、ジャン・リヴィエ、アンドレ・ジョリヴェ、アンリ・ディティーユ各氏に作曲を師事する。67年2月作曲科オルファン賞、ならびにフーガ科オルファン賞受賞。同年5月、ヴェトナム人作曲科トン・タ・ティエット氏とサル・コルトーにて[現代音楽展望展-西洋と東洋-]を開催。以降フランス人アラン・ルヴィエ氏(元パリ国立高等音楽院院長)を加え、同展は大学都市ホール、マラコフ市音楽祭展、H・E・Cホール、フランス国立放送局ホール等、パリ近郊各地で開催する。68年9月、同音楽院作曲科ならびにフーガ科修了。同年12月帰国。69年4月東京芸術大学大学院に入学。同年、朴賢治・三枝成彰・池辺晋一郎・福士則夫とグループ<白波>を結成。71年東京芸術大学大学院修了。74年作曲家集団<深新会>結成に参画。

69年より東京純心女子短期大学講師、71年東京芸術大学音楽学部および同附属高等学校講師、77年東京純心女子短期大学助教授、89年同短大教授、96年京都市芸術大学教授。70年ビクター音楽教室本部指導講師、90年ビクター・テクニクス音楽教室本部チーフ・ディレクター、96年ビクター・テクニクス音楽教室顧問。日本現代音楽協会、日本作曲家協議会、日仏音楽協会、日本童謡協会会員。97年12月30日永眠。

主要作品
TRAVSMAシリーズ、METEORAシリーズ、REQUIEMなど
出版作品として「ふたりのピアノ」(全5巻/音楽之友社)、「動物たちの夢」(クレヨンハウス)、「海の風景」(クレヨンハウス)、「ゆめのなかのできごと」(カワイ出版)、「ピアノであそぼ」(全3巻)、内田勝人合唱曲集、小学校唱歌「グッデイ・グッバイ」「さよなら友よ素晴らしき日々よ」など、こどもたちのための作品にも力をそそぎ多数の作品を残す。